作品名 作者名 カップリング
「学校のかい談」 ペピトーン氏 -

 ある8月の熱い夜、シンジとカズヤの二人は居酒屋にいた。
シンジは今年の春から大学生になった。といっても二流の私大ではあるが。
一方のカズヤは浪人中のため、予備校通いである。街中で久々に会ったので
居酒屋で飲むことにしたのである。近況報告も兼ねて世間話に花を咲かせる。
「いいのかカズヤ、お前これからが大事な時期だろ」
「いいのいいの、今日は息抜きなんだから。ところで今オレが行っている
予備校なんだけどよ、これがなかなかかわいい娘がいるんだよ。今ならTシャツの
ブラ透け見放題だし、夏の汗で蒸れた女体のニオイを嗅げるし、臭いフェチの
俺には最高の季節だぜ!!」
「…お前、また受験落ちるぞ」
シンジはやれやれという様子で聞いていた。


そんなこんなでしばらく飲んだ後、酔い覚ましも兼ねて二人で外を歩いていると、
この春卒業した高校の付近を通りかかった。
「なあシンジ、折角だから久々にちょっと学校に寄ってみないか?」
「こんな夜中にわざわざ寄る必要なんてないだろ」
シンジは全く乗り気ではなかったが、結局カズヤに押されて行く事になった。
学校の入口で警備員に話すと向こうも自分たちの事を覚えていたらしく、ライトも貸してくれ、
あっさり校内に入ることが出来た。
かつて自分たちがいた3年の教室の前を通りながらつぶやく。
「…やっぱり何も変わってないな」
「だからわざわざ寄ることなかったんだよ、さあそろそろ帰ろう」

そんなことを話しながら一階に下りていくと、廊下の向こうから何かが
ぴたぴたと音を立ててこっちへ近づいてきた。
「あれ、警備のオッサンかな?」
「いや、まだ巡回してないはずだぞ、泥棒か?」
「まさか、夏休み中の学校に盗るものなんてないぞ、って事は?」
「夜中の学校には幽霊が出るっていうけど…」
「お、おい、まさか幽霊!?」
泥棒にしろ幽霊にしろ二人ともさっさとその場から逃げるべきなのだが、あまりに
突然の出来事に足がすくんでしまっている。そしてその物体は二人の前に姿を現した。
二人の大声が廊下中に響く。
「「出た―――!」」


「もう、出たーとはなによう、びっくりするじゃない」
聞き覚えのある声がした。声の主は小宮山先生であった。何故かスクール水着姿で
タオルに身を包んでいた。
「あら、あんた達お久しぶりね。こんな時間になにやっているのかしら?」
「先生こそ、どうしてこんな時間に」
「ええ、今夜は暑いからね、プールを借りてちょっと泳いでいたの」
「それにしても、スクール水着は無いんじゃないですか」
水着には「3−6 こみやま」と書かれたネームラベルがついている。
「あら、いいじゃない。わたしのスクール水着姿もなかなかいけてるでしょ?」
(相変わらずだな…)
シンジはこれ以上この人に付き合っていられないと思ったのですぐに別れる事にした。
「じゃ、俺たちはそろそろ失礼します」
「あらそう、じゃあねー。あ、でも更衣室で女子生徒のブルマとか漁りに行くんじゃないよ」
「行くか!」
(…全く、付き合ってらんないよ)
「カズヤ、もう帰ろうぜ」
シンジがカズヤのほうに向き直ると、カズヤは横でうずくまっている。そういえばシンジが
小宮山と話している間、一言もしゃべらなかった。
「おい、どうした!?」
さらにシンジが声をかけるとカズヤは一言、
「…出た」
よほど先生のスクール水着姿に興奮したらしい。

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