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「アキの苦手克服」最終章 |
トマソン氏 |
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校庭の木の下での告白?から二週間ほどたったある日。その日はまたしても矢野家の
両親が不在ということで、シンジがアキの家を訪れた。
シンジは客間に通され、一度は座ったが、
「お茶いれますから、待っていてくださいね」
とアキが台所に向かうと、足音を忍ばせて後を追った。お茶の用意をしているアキに
そっと後ろから近づく。
「……? シンジさん?」
気配を感じたアキに振り向く暇も与えず後ろから抱きしめると、耳たぶにふっと甘い
吐息をかけてやった。豊かに実った胸に腕を伸ばし、冬物の衣服もものともせず、思う
がままに揉みしだく。
「ちょ、ちょっとシンジさん……ああっ……」
指先がセーターとブラジャー越しに先端の乳首を捕え、そっと転がした。
「あっ……あんっ……」
アキはコーヒーのビンをとスプーンを手にしたまま目を閉じ、甘い声を漏らし始めた。
シンジの口は少女の耳たぶを軽く噛み、ついで舌でそっと首筋をなぞってやった。
「あっ……ああ……」
愛撫を受け止め続け、身をくねらせるアキだったが、やがて何かが決壊した。ふいに
体をシンジのほうへ向けると、床にペタリと座り込み、シンジのズボンを一気に下ろす。
「ください、ね、いいでしょ?」
トランクスの切れ目からそっとシンジの男性自身を引き出すと、上目遣いにトロンと
した目をシンジに向けつつ、男の下腹部に顔をうずめた。
アキの舌が玉袋から裏筋のあたりをちろちろと這い回る。少女の両手に優しく包み込
まれ、あっというまに怒張して天を向いたシンジの男根を、たおやかな掌がそっとさす
り始めた。暖かく柔らかい摩擦が、次第々々に強くなっていく。
(うっ……ここまで、来たか……)
アキの上達ぶりには驚くほかはない──が、すぐにシンジは圧倒的な快感に流され、
そんな余計なことは何も考えられなくなっていった。
「お、おおうっ……アキちゃん、最高だ……」
血管を浮き上がらせたそれの先端から、透明な汁がにじみ出る。あたりに独特の臭い
が漂い始めた。
「アキちゃん……もう、この臭いも平気かい? ううっ……」
「ええ、シンジさん……もう、大丈夫……いい匂い……」
アキはぱくんとシンジの一物を咥え込んだ。カリの内側に舌を這わせ、丹念に唾液を
まぶしていく。先端が口腔の奥をつつかない程度に入り具合を調節し、心持ち息を吸う
ようにすると、口の内側の粘膜が熱く燃える肉棒にぴたりと吸い付いた。
そのまま首を前後すると、口腔内の粘膜がそれを締め付け、こすり上げる。
「う、うおっ……あ、アキちゃん、もう、もう俺……」
「いんいあん……おうおおのああ……」
アキは『シンジさん……どうぞこのまま……』と言ったのだが、男根を咥え込んだま
までは、まともな発声になるわけがない。だがそのくぐもった声すらも、今のシンジに
は妙なる音楽のようだ。
先端の割れ目を少女の舌がそっとなぞった。シンジの体がピクンピクンと震えるのを
面白がるように、アキは舌先をちろちろと左右に転がす。亀頭の先端を舌先で慈しみ、
割れ目をそっと押し開く少女の動きに、シンジはあっという間に絶頂へと追い立てられ
ていった。
「お、おおうっ……で、出るっ!」
シンジの体がピンと反った。最大限に怒張した男根が断末魔を迎え、白濁した精液が
少女の口の中にどくんどくんと吐き出された。
「むぐーっ! んっ……」
熱いどろりとした液体をその口の中に受け止め、アキもまた表情を硬直させた。だが、
すぐにトロンとした表情に戻り、生臭いそれをコクリと飲み干す。
「はぁ、はぁ……あ、アキちゃん……無理に飲んでくれなくてもいいんだよ……」
「んくっ……はぁっ……いいんです……私が好きでしてることですから」
アキは唇の縁から垂れかけた、白濁した液体をそっと手でぬぐった。
「シンジさん、わたし……私、シンジさんが思うよりエッチな女の子みたいです」
アキの表情は妖艶としか言いようがなかった。シンジはごくりと生唾を飲み込む。
「アキちゃん……その表情、色っぽすぎるよ…」
「あら……私、まだ処女ですよ?」
そのことはシンジも知っている。相談の上、それだけはしばらく大事にする、という
ことで話がまとまり、二人は本番だけは我慢していたのだ。それ以外はあらゆる方法で
楽しんでいたが。
だが、それにしても……処女にしてこれだけ艶っぽい表情を浮かべる女の子は……。
(もしかしたら、俺はパンドラの箱を開いてしまったのかも知れない)
アキの瞳に吸い込まれそうな錯覚に陥りつつ、シンジはそんなことを思った。
だが、はじめの日に言ったとおり、もう戻れはしない。
堕ちるところまで、堕ちてやる───。
数日後。再び城島家で勉強会が開かれ、皆が食卓についていた。
今度のメニューは、ご飯に味噌汁、メインディッシュはイカのてんぷら。味噌汁は
まるで愛液でも混ぜてあるような、山芋入りのぬめぬめとした食感のものだ。サイド
ディッシュには、まさかカナミの使用後ではないだろうが、ゴボウやニンジンがたっぷ
りの巾着。ご丁寧に具の中心あたりに梅干しが埋め込んである。
飲み物には牛乳、それもわずかにレモンジュースと蜂蜜を混ぜて、少しだけ黄色を
帯びて、しかもトロみを出したカナミ特製品だ。そして、まだリンゴが残っていたらし
く、デザートには再び焼きリンゴ。
(どうしてこう、ネタ満載のメニューなんだ)
いつもながら、シンジはカナミの趣味に言葉もない。
だが、今のアキには何の問題もない。イカの匂いを楽しみながら、美味しそうにてん
ぷらを口に頬張り、トロリとした牛乳を流し込む。梅干し入りの巾着をゆっくりと
しゃぶり、もとい味わう。
「アキちゃん……イカ、平気になったの?」
ぷはー。かすかに黄色っぽい牛乳を豪快に飲み干すと、アキは余裕の表情をカナミに
向けた。カナミとマナカの二人はアキの食欲に驚いたか、箸が止まっている。
「どれもおいしいわ。カナミの料理はさすがねえ」
アキは焼きリンゴに手を伸ばした。皮を剥くと、そこから甘い汁がトローリと垂れて
くる。アキが舌を伸ばし、ぺロリとそれを嘗め取るのを見て、カナミとマナカ、それに
ショーコまでが目を丸くした。
「どうしたの、カナミにマナカ? ちゃんと食べないと、大きくならないわよ?」
アキがひょいと身をゆすると、豊かな胸の盛り上がりがぷるんと震え、セーターの上
からでさえはっきり分かるその量感に、カナミとマナカは目を奪われた。
「そうだな。それとも、揉んでくれる誰かを見つけるか?」
シンジが追い打ちをかける。
カナミとマナカははっと我に返ると、コップに手を伸ばし、一気に牛乳を飲み下した。
「ごくっ、ごくっ……。カナミちゃん、お代わりください。げっぷ」
血走った目で、コップをカナミに差し出すマナカ。
「うっぷ、はいはい、ただいま。私もいただこうかな。げふっ」
カナミもまた口を押さえつつ、二つのコップを手に冷蔵庫へ向かった。
それを見たシンジとアキ、空中で視線を絡ませ、微笑みを交わす。
「あら、もしかしてこれ、下克上の現場ってやつ?」
ショーコのセリフがのんびりと響く。
明日からが楽しみだ。もう一度シンジとアキは視線を絡ませ、笑みを交わした。